「さて今年はどんな役を歌えるのだろう」と、私はHFJの季節が来る度にわくわくします。
ソリストと違って合唱には個々の役名があるわけではありませんが、例えばこの《ベルシャザル》においては、私達はバビロニア人として驚き騒ぎ、ペルシャ人として戦いに臨み、ユダヤ人として歓呼するのです。
このように様々な役柄を、様々に性格の違うヘンデルの曲で歌えること、これは合唱の楽しみです。
そしてその合唱は単なる添え物ではなく、情景を提示したりその場を音楽的に締めくくったりといった役割を負っています。
登場人物たちの織り成すドラマを固唾を呑んで見守りつつ、その場にいる人々として、また時にはただの群衆という立場を超えて、この饗宴に参加できることを楽しみにしています。
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